動作と筋肉

筋肉には一つの分類の仕方として、関節を伸ばす時に働く伸展筋群と関節を曲げる時に働く屈筋群が有ります。

 日常生活動作を楽に効率良くしたり、高いスポーツパフォーマンスを発揮する為には自分の身体に対して内向き方向ではなく、外側方向へ力を効率よく伝えなければ成りません。

 スポーツ競技を例に採りますと、陸上のスプリント競技であれば地面に効率よく強い力を加えなければ速く走れませんし、野球のピッチャーで有ればボールに効率よく強い力を伝える事が出来なければ速い球を投げる事が出来ません。ボクシングの選手で有ればパンチで相手に強い衝撃を与えなければ相手を倒す事が出来ません。

 自分の身体の外側方向へ力を伝える為には基本的には自分の身体の外側方向へ関節を伸展(伸ばす)させる必要が有ります。

 そう考えますと、関節を伸ばす為の大きな(体積や面積の大きい)出力の高い伸展筋を主動筋(一番出力する筋肉)として使い、他の小さな筋肉はその主動筋に協調させる様な動作を採用する事がスポーツ競技のパフォーマンスを高めたり日常生活を楽にする方法であると考えられます。

 伸展筋群は人体の後面に存在しています。

面積や体積、出力が大きい筋肉では上半身では主に背骨を伸展させる働きをする広背筋(背中の逆三角形の筋肉)、下半身では立位ポジションで股関節を伸展させるハムストリングス(腿裏)や大殿筋(お尻)等が有ります。

 当施設では日常生活を楽にしたり、スポーツパフォーマンスの向上、機能改善等を目的の中心に置いていますのでこれらの筋肉を運動中稼働出来る様な身体や身体の使い方をトレーニングして行きます。

 人体後面に多く存在する伸展筋群を発達させ、運動中に稼働できる身体を手に入れる為には人体前面に多く存在する伸展筋群と逆の働きをする屈筋群の柔軟性(伸展筋群が力を発揮して短縮しようとする時に拮抗する屈筋群が柔らかく伸ばされる必要が有る為)と、伸展筋群の邪魔をしない(同時に収縮させない=力ませない/拮抗する筋肉が同時に収縮すると言う事は自動車に例えればブレーキとアクセルを同時に踏んでいる様な状態です)動きを手に入れる事が先ずは必要に成ります。

 当施設のトレーニングで筋肉の柔軟性や身体のリラックスを重要視するのはその為です。

 上記の様な高いパフォーマンスを発揮する為の身体を求めて行く中で、姿勢が良く成ったり、機能改善も進み、肩凝りや腰痛を始めとする身体のトラブル等も改善して行く事に成ります。

 イメージはボディービルダー等とはある意味対照的な、無駄な筋肉のないアフリカ系(黒人)アスリートの様な、機能的でパワフルでしなやかな身体を目指してトレーニングして行きます。