健康的日常生活や高いスポーツパフォーマンス発揮の為の身体の正しい姿勢とは

トレーニングにより改善すべき部分(身体の硬さや歪み等)をお抱えの方も多いかと思います。現時点では困難でも将来的に求めたい理想的な姿勢のお話しとして以下ご理解頂けたらと思います。心身ともにリラックス出来る範囲でトレーニングしながら動作の基本となる理想の姿勢を目指してみて下さい。

 

1、正しい座り姿勢(トレーニング等椅子に腰かけた状態)

 

身体の横から見て耳、肩、股関節(大転子=お尻の横の骨の固い所=ポケットの入口当り)を鉛直線上に揃えます。リラックス出来ていて必要な柔軟性が有れば頭部は重量バランスの関係で顎が自然と軽く引かれた形に成ります。肩甲骨周辺や胸郭(肋骨)周辺に必要な柔軟性が有りリラックス出来ていれば腕の重さも掛かる肩甲骨は重力の関係で背骨に寄りながら下に下がり(下制)、結果、胸椎(肩甲骨の間の辺りの背骨)が前方へ押し出され伸展(鳩尾が上に向いた様な形)した形に成ります(意識的に何処かに力を入れて胸を前方へ張る訳では有りません)。骨盤は伸展した胸椎側から引き上げられ臀部や腿裏に必要な柔軟性が有れば胸郭の下に位置し立ち上げられた形に成ります。膝の曲がりは直角よりやや緩やかな下肢がリラックス出来る角度を目安とします。下肢は前方から見て大転子、膝の外側、薬指のラインを鉛直線上に揃えます。足を置く形は上から見て足の外側のラインが平行に成る様にします。

 

大きな力を楽に効率良く発揮する為には出力する手足の方向へ体幹を寄せ重心の移動を先行させる必要が有るのですがその様な動作を自然に行える姿勢です。骨の配列を上手に利用して筋肉(筋力)ではなく骨格の配列を中心として身体を支えていますので実現出来ると楽で、長時間リラックスして座っていることが出来ます。首のトラブルや肩こり、腰痛等をお抱えの方達には非常にお勧めの姿勢です。

 

上記の姿勢とは逆に日本の方に多い猫背、骨盤後傾(腰が丸い形)では体幹の移動や重心移動を先行させる動作をすることが難しく無意識に手足から先に動作(ぎっくり腰の原因となる動作)してしまい大きな力を発揮することが困難に成ってしまいます。女性によく見られる胸郭(肋骨)の後方に骨盤が位置する骨盤を過度に前傾させた反り腰も重心を移動させる動作には不向きな形です。両姿勢とも姿勢作りや大きな力を発揮する為の動作の中心となる背中やお尻、腿裏等の大きい筋肉群を使い辛くする姿勢でもあり、首、肩、腰等にトラブルを発生させやすい姿勢でもあります。

 

*上半身のトレーニング中、胸椎の伸展や屈曲を伴う動作を採用する場合も頭部が股関節上から外れない様な動作を目指してみて下さい。下半身のトレーニング中も姿勢で注意する点は同様です。詳しくはトレーナーへご確認下さい。

 

2、正しい立ち姿勢(股関節から下の形)

 

 股関節から上の姿勢は正しい座り姿勢と同様です。股関節から下は正面から見て上記の大転子、膝関節の外側、足の薬指のラインを鉛直線上に揃えます。横から見て膝関節は真っ直ぐ伸ばします(説明の様に身体の配置を上半身、下半身ともに正しく揃えると膝関節は自然と真っ直ぐ伸ばされます)。足の置き方も座り姿勢と同様に上から見て両足の外側のラインを平行にします。つま先が少し内側を向く形です。(つま先を内側に向けても膝を内またの様に内側へは折らず真っ直ぐに伸ばします。また、かかとが内側に向いたガニ股の様な形も骨盤を後傾させて腰を丸くしてしまい、膝も曲げ膝にも負担を掛けてしまいます)。頭から足まで説明の様に正しく身体を配置出来ると耳から股関節まで鉛直線上に揃えたラインが下は足のくるぶしと薬指の付け根の間のエリヤに抜けて行きます(トレーニング進度や個人差により抜けて行く位置が多少前後します)。

 

3、正しい立ち姿勢(静的バランス)の重心

 

上から見て平行にした足の外側の薬指のライン(身体の側方から見て外くるぶしから薬指の付け根のエリアの上方に身体の重心⦅第2仙椎の前方辺り=おへその下辺り⦆が有る状態)に体重が掛かります。かかと側や母指球側に体重が掛かり過ぎると前記の悪い姿勢の原因を作ってしまいます(薬指のラインに体重を掛けてもかかとや母指球を浮かす訳では有りません)。

( *動作中はかかと、薬指のライン、母指球の間を荷重が移動することに成りますがその辺のお話はまた別の機会に)

 

正しい立ち姿勢も正しい座り姿勢と同様に体幹や重心の移動を先行させ大きな力を効率よく楽に生み出す動作に適し、筋肉ではなく骨格の配列を中心にして身体を支えているので楽で、長時間リラックスして立っていられる姿勢です。動的バランス能力(神経筋機能)も最大限に引き出します。首、肩、腰、更に膝等に負担が少なくトラブルを作り辛い姿勢です。

 

 姿勢についてはご自分で気付けないことや誤解されている部分も多いのでご不安な方はトレーナーから直接指導をお受けすることをお勧め致します。