トレーニングを進めて頂く上で把握しておいて頂きたいトレーニングの優先順位がございます。以下その順番に成ります。
①身体の柔軟性
②正しい姿勢
③動作(身体の動かし方)
④筋力、瞬発力、持久力、バランス力、巧緻性等
プロスポーツ選手のトップクラスやオリンピックのメダリストクラスと私達一般人との一番の違いは動作法(身体の扱い方)とそれを可能にする為の基となる姿勢(静的動作)に有ると思います。
競技中に発揮している同じ人間とは思えない様なパフォーマンスも、筋肉の量は勿論ですが、動作とそれを可能にする為の姿勢から生み出されている部分が大きいと言う事実はもっと注目されても良いと思います。
一つの例ですが、速く走れたり、高くジャンプ出来たり、前方へ強い力で押せている(ラグビー、大相撲等)選手は、多くは、動作中、姿勢の軸(耳、肩、股関節)が形成され、膝の前後の動きが少ない等共通した動作の特徴が見られます。
上記の様な動作や姿勢を体現する為には股関節、肩甲骨、胸椎周辺の高い柔軟性が求められます。
トレーニング取り組み初期においては、目的とする正しい姿勢や動作を可能にする為の身体の柔軟性、関節可動域を手に入れる事が最優先事項と成ります。
身体の柔軟性は体幹部(肩甲骨、胸椎、股関節周辺の柔軟性や可動域)を中心に評価します。
足首等末端部分の柔軟性や可動域には体幹部の柔軟性や可動域が大きく関係していますので全体のバランスの中で評価し、部分的に判断をしない様に注意します。
例えば、地面にしゃがみ込む様な動作でかかとが地面に着かなかったり(足首が脛方向へ曲がらない)足首にストレスを感じる様な場合、股関節の屈曲方向の可動域(お尻や腿裏の柔軟性)、更に肩甲骨の内転方向(胸椎の伸展方向/胸郭周辺)の柔軟性や可動域が不足していてそのしわ寄せが足首に来て、本来の可動域(20度程度)以上の曲がりを強いられている様な場合も多く見られます。
全体を見ず、部分的な評価をしてしまうと逆に足首の安定性を欠いてしまう様な取り組みの方向性に成ってしまう場合も少なく有りません(私自身も足首を柔軟にするトレーニングをやり過ぎて、足首の抜ける様な感覚や足関節内に痛みを作り出してしまった事が有ります)。
身体は単に柔軟性が高ければ良い訳ではなく、身体を不安定にしたり、故障を生んだりする不必要な柔軟性も有りますのでご不安な方はトレーナーへお尋ね下さい。