トレーニングによる腰痛改善方法の一例

腰椎が後弯方向へストレスを受けている様な場合

腰の骨の腰椎は、大きく捻ったり反ったり丸めたりするとストレスを受ける部分で有る事は以前お伝え致しました(大きく動かせる構造ではなく安定して重量物を支える構造)。

正常な腰椎は生理的な前弯(身体の前方方向へ曲がった形/曲がりの大きさには個人差が有ります)をした形状ですが、動作中も構造上この前弯した形はなるべく保ちたいのです。

日本人の多くの方に見られる傾向として、腿裏の筋肉のハムストリングスが硬く縮こまる事で骨盤が後傾方向へ引っ張られ固定されてしまい、骨盤の上に有る腰の骨の腰椎が後弯方向(本来の自然な曲がりの逆方向)へのストレスを受けている事例が有ります。

  

神経の緊張を解き、筋組織をほぐし、柔軟な組織に作り変える

4Dモーショントレーニングマシーンでのトレーニングの大きな特徴は、筋肉を支配している神経の緊張を緩める事が出来る事です。

先ず始めの段階では、ハムストリングスが硬く縮こまる事を支配している神経の緊張をマシーン動作で緩めます。

腰の痛みが強く、緊張するハムストリングスを動かす動作自体が困難な方もいらっしゃいますので、その様な方はハムストリングスと拮抗する(逆の動きをする)上半身の広背筋(背中の逆三角形の筋肉)の活動を引き出し、腰に痛みを感じさせる事なくハムストリングスの緊張を緩める特殊なスキルを活用します。(肩の痛みを改善する様な場合も肩の痛みが強く肩自体を動かせない様な場合は拮抗する股関節の動きを引き出し、先ずは肩の緊張を緩める手法を採用します)⇒通常の筋トレマシーンやストレッチ動作では実施する事が困難な特殊技術です。メカニズムの詳細はトレーナーへお尋ね下さい。

次の段階では、神経の緊張を緩めて弛緩させたハムストリングスの伸張(ストレッチ)と短縮を、無理のない範囲で同じくマシーン動作でタイムリーに繰り返し(マッサージで外力を加え揉みほぐす事と同様な原理=thixotropy)、硬く縮こまったハムストリングスの筋組織自体を柔らかくほぐして筋肉の自然長を本来の長さへ戻して行きます。

筋肉の伸縮を繰り返す事で筋肉内の血管の血流も促進(『ふくらはぎは第二の心臓』と言われているのと同様に、ふくらはぎ以外の全身の骨格筋にも筋肉の伸縮により血流を助ける作用が有ります)され代謝が高まりハムストリングスの筋組織自体が更に柔らかく作り変えられて行きます。

  

姿勢の改善

背骨は上は頸椎、胸椎から下は腰椎まで関係して連動していますので、骨盤後傾の方に多く見られる猫背、巻き肩(肩が前方へ出た様な状態)等の上体の姿勢も腰痛に大きく影響している部分で要改善ポイントです。

主に硬く縮こまった前鋸筋(脇の下の肋骨の上に沿う鋸状の筋肉/肩を前へ出している原因の筋肉)や胸鎖乳突筋(首の前側の鎖骨に付着する筋肉/首を身体の前方へ出して猫背を助長している筋肉)、その他身体の前側の硬く縮こまった筋肉を4Dモーショントレーニングマシーンでハムストリングスと同様に専門スキルを使いながらほぐし、柔軟にして筋肉を本来の自然長に戻して行きます。

 

  身体バランスや歩行の改善

つま先が外側へ向き踵が内側へ入っている様な普段の身体バランス(立ち方や座り方)や歩き方等も、骨盤が後傾し腰椎が後弯方向へストレスを受けている多くの方に見られる傾向です。

正しい身体バランスや歩き方、その為の改善方法もトレーニングの中で詳しくお伝えし、改善して頂きます。

 

  シューズの問題

一般的には未だ余り多くは知られていない履物と腰痛の関係もお伝えする事で、更に踏み込んで腰痛改善のお役に立てて頂きます。(踵が高いシューズやクッション性の高いシューズで本来のお身体のバランスを崩し腰痛の原因を作られている方が多くいらしゃいます/メカニズムの詳細はトレーナーへお尋ねください)

 

腰痛の原因には様々な因子(骨盤後傾とは逆の過度な骨盤前傾や身体の左右差、骨盤に対する胸郭の捻り動作の可動域が不足している等々)が複雑に関係し全く同じ原因の方はいらしゃいませんが、腰椎に掛かるストレスの方向で分類すると、幾つかの傾向に原因を大別する事が出来ます。

改善の為には傾向別の改善トレーニングメニューや専門知識、スキル等が必要に成りますので腰痛でお悩みの方はトレーナーへご相談下さい。

(首凝り、肩凝り、四十肩、五十肩、肘痛、膝痛等の痛みの改善、姿勢やO脚X脚、その他身体の歪みの改善等もご相談をお受け致します)